こういった動く展示機のことを通称デモ機、動かない模型をモックというのだが、これらは新機種が出るたびに裏に引っ込められ、その行方はメーカーに戻され闇に葬られたり店員が貰ったりして一般市民には縁がないものだと私は思っていた。

しかし最近は違うようで、どういう理屈なのかは知らんがひっそりと売られるのを見かけるようになった。例えばノジマなら自社のオンラインショップにて中古商品として売っている。ジョーシンならヤフオクを通じて販売しているようだ。

Androidだとデモ機専用モードなどもあって各社によって勝手が変わってくるのだがiPhoneはある程度傾向が統一されており、その仕様も私はある程度把握できている。

初期化して自分のapple IDを設定することもできるしiOSのアップデートも問題なく行える。画面が割れた場合やバッテリーが劣化した場合などはアップルに出して直してもらうことも出来る。

見た目の外装も特に刻印などがあるわけではないので傍から見て違いが分かるものではない。

一見普通に使えるという意味ではここまである種の利点と捉えることもできるだろう。

続いて欠点及び注意点について解説をしていく。

デモ機の１番の難点はSIMロック解除ができない点だ。製造番号(IMEI)をデモ機の卸元のキャリアで検索するとネットワーク制限△と出てしまう。これは市販モデルでも分割代金を支払い中の機種に出るものだが、完済することで◯になりSIMロック解除ができるようになる。

ところがデモ機においては端末代金の概念がないので◯にすることができずSIMロック解除が一生できないのである。SIMロック解除ができない以上、指定キャリアのSIMでしか通信することができず、海外での利用や、キャンペーン期間を利用してau⇔docomoなど、あちこちのキャリアを行き来するなどの利用ができないものとなる。

展示機という性質上、画面ONになってる時間が長く、常時充電されバッテリーの摩耗も早い。加えて不特定多数の人が触る関係で傷や汚れ画面の焼けやムラなどが多くついている場合もある。使用にストレスを感じる可能性も高いので潔癖症じゃなかったとしても避けるべき要素になるかもしれない。

AppleCareやキャリアの端末補償サービスに加入することができない点も、高価なiPhoneを安心して使いたい人には大きなデメリットとなるだろう。中古購入したスマホでも入れる保険などがあるのでそういったものを利用することはものによってはできるのでそこでカバーできなくもないが・・・

これらのデメリットを踏まえていくと一見無価値にも見えるデモ機だが、マイナス要素の多さにより需要が落ちた分、市販モデルに比べ格段に安く買えるというのが利点となっていく。

また欠点となる部分も、特定キャリアに留まる判断をして利用する場合に限り、SIMロック解除できない欠点は気にならないものとなる。最近では大手3キャリアともに格安SIMを用意しているので、例えばauのデモ機を使って同ネットワークを利用するMineoの安いプランを適用したSIMを利用するなんてことも出来るので制限はあるものの完全にキャリア選択の自由がないというわけでもない。

展示機といっても、ジャンクレベルに傷んだものから、ほとんど触られること無く良い状態のまま市場に流れていくケースもあり、説明文や外装写真やバッテリーの摩耗具合からそれを判断することが出来る。

補償サービスに加入できない点も普段から加入を考えてない人にとってハードルにはならないものとなる。

モデルや状態によって価格差が振れ幅は大きいが一例としてヤフーオークションに流れているiPhone12ProMaxのデモ機の落札相場を見てみよう。※2022/08時点でのiPhone12ProMax（市販モデル）の中古相場は11万円～13万円。

価格差は状態によるものが大きいが、それでも中古市場での相場に比べ４～５万程度安く購入することが出来ているのが見て取れるだろう。。

ジョーシンは商品説明に傷やカメラの映り具合まで細かく状態を記載してくれてるので安心して購入検討することが出来る。

以上を踏まえ、デメリットが気にならない人や理解した上で使う人にとってはデモ機はお得に機種変更できる選択肢の１つとなるわけだ。特に価格差が大きいProMax系が個人的にはオススメ。

今回、私はヤフオクでジョーシンのデモ機12プロマを1つ買ってみた。ボロいのを買っても愛着を持てず使い続けることできないので厳選した結果

これ以上ないぐらい上質なプロマを約7万ちょっとで入手したので4万ぐらい得した気分だ。

無印やProは時々キャンペーンで安いことがあるが、プロマは供給が少ない上に定価も高いせいか滅多に安売りされることがないので、今回デモ機という選択肢をとってみたわけだ。

届いたものを見ると記載通りのもので申し分なし。

補償サービスの類を私は普段から使わずケースとフィルムだけは付けていく派なのでAmazonで適当なのをポチって準備完了！

ソフトバンクモデルをチョイスした理由として、キャンペーンをやってることの格安SIMキャリアがSoftBank系列に多かったからである。

    mineo     QTモバイル     b-mobile     nuroモバイル

これらは、ソフトバンクのデモ機iPhoneで利用可能なキャリアである。この中で行き来したり、あるいは留まったりしながら有効に使っていく考えだ。

※検証したところYmobileのSIM(n141)とLINEMOを使用することはできなかった。

12シリーズはまだまだ新しいからiOSアップデートもしばらくは続くでしょうし、4年ぐらいはこれで戦っていけたらいいな。ちなみにLINEMOが提供している持込端末保証 with AppleCare Services（月額1250円）にはデモ機でも加入できることを確認した。故障全般の修理が格安で受けれる他、80％以下になったバッテリーの無料交換に対応していたりと中々に便利なので利用を検討中だ。

普通のiPhoneを買うときの注意として、市場価値の低いデモ機を、普通の分割中ですと説明文に記載して売り利益を得ようとする悪質な個人出品者が稀にいるので気をつけよう。デモ機の売買自体は問題ないが中身を偽るのは普通に詐欺・・・。

来月返済してネットワーク制限◯になりSIMロック解除できますなど書いてあっても信用はできない、こちらで判別することもできない。トラップに引っ掛からないよう、残債なしで判定◯のものや、新品を購入するようにしよう。